朝鮮日報 2015/2/10
【社説】韓国社会に毒をばらまくネクソンとNCソフト
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/02/10/2015021000742.html
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世界1、2位のゲーム業者、ネクソンとNCソフトが激しい経営権争いを繰り広げている。NCソフトの筆頭株主であるネクスンは1月27日、投資目的をそれまでの「単純投資」から「経営参加」へと改め、2月3日に経営参加要求事項をまとめた株主提案をNCソフト側に送った。これに対し、NCソフトは「行き過ぎた経営介入だ」と反発し、両社の対立は泥沼化した。
ネクスンは1996年に『風の王国』、NCソフトは98年に『リネージュ』を発表し、韓国のオンラインゲームの草分けとなった。両社は2012年6月、世界市場攻略に向け手を結んだ。ネクスンが8000億ウォン(約866億円)でNCソフトの株式14%を取得し、筆頭株主となる一方、NCは株式売却で得た収入で海外企業を買収し、世界市場を掌握する戦略だった。しかし、両社による有力企業買収はこれまで実現せず、世界市場で注目を浴びるようなゲームを開発することもできなかった。
過去20年間、韓国のゲーム産業は年商10兆ウォン(約1兆800億円)規模に成長し、9万人の雇用を支えている。ネクソンの金正宙(キム・ジョンジュ)会長は1兆4000億ウォン(約1520億円)、NCソフトの金沢辰(キム・テクチン)会長は1兆2000億ウォン(約1300億円)に資産を築き、韓国を代表する富豪になった。
こうした急成長が一人の力で成し遂げられたと考えるのは大きな誤算だ。両社は超高速インターネットへのインフラ投資、ベンチャー支援などさまざまな政策的恩恵を受けた。ネクソンは2009年に従業員9人にすぎない持ち株会社だけをソウル市から済州道に移転し、5年間で数千億ウォンに達する法人税免除を受けた。
今回の経営権争いで、両社の経営実態が財閥顔負けの状況に陥っていることも明るみに出た。NCソフトは経営者の妻がゲーム専門家でもなく、最高経営者としての経験を持っているわけでもないのに、突然社長に就任した。金正宙ネクソン会長も妻に会社の監事を任せた。それでいて、互いを批判し合っている。両社は青少年がゲーム中毒に陥ったのも放置した。
フェイスブックの創業者、マーク・ザッカーバーグ氏は13年、1兆ウォンを超える寄付で米国の「寄付王」となった。韓国社会に特に寄与することなく、紛争ばかり起こすのであれば、ゲーム産業を規制すべきだとの世論が高まりかねない。ゲーム業界を代表する企業が自分たちを育ててくれた社会に毒をばらまくのをいつまで見過ごさなければならないのか。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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